入浴のうち古くから発達したのは、高温加熱した石などに大きくない容器に入れた水をかけて発生させた蒸湿気を、非通気施設内に充満させて入浴する方法である。

半地下式の狭い空間にたき火で焼いた石を置き、小さな容器に入れた水をかけて蒸湿気を発生させて入浴する方法は、施設、道具が単純で、燃料も少なくてすむので、気候が冷水浴に適さない地域の諸民族では広く採用された。

フィンランドのサウナ、ロシア風呂などの原形に近い方法もあるが、地中海、西アジア地域ではこの方法が早くから高度に発達し、高・中温の2種類の暖湿気浴室、蒸気浴室、脱衣場を基本セットとした入浴施設が考案された。

ローマ帝国では、ヘレニズム期に導入されたオリエントの入浴方法を洗練させ、各地の都市に基本セットに冷水浴を加えた共同浴場を建設した。

各種施設を加えた巨大文化センターだったローマのカラカラ大浴場はとくに有名であり、ポンペイでは共同浴場の地上部分も出土した。